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☆1月20日 曇り時々小雨+damp 3℃/-2℃ 年明けに、隣村GXのブッチャーRに行くと、 店が閉まっていて、表に小さな張り紙がしてある。 「TESCO 開店のおかげをもちまして、 当店はやむなく閉店することになりました。 長らくのご愛顧、有難うございました。」 ちょっぴり皮肉をこめて、店主の思いなどが書かれてあった。 やっぱり。。。 TESCOが隣村に来ることに決まってから、 いったい何軒の店が店じまいしたことか。 魚屋が消えた。 2軒あった八百屋が消えた。。。 先行きを心配して、何軒もの店が消えていった。 TESCO 誘致の話に、ゴーサインを出したのは、 労働党の元副首相のプレスコットであると言う。 (彼には間接的に百万ポンドの金が渡されたと言うことだ。) 多くの住民たち(もちろん、私たち夫婦も!)が 反対運動を続けたにもかかわらず、 ずさんな工事で鉄道のトンネルが落ちたにもかかわらず、 工事は続行し、TESCO はやって来た。 そしてブッチャー R は、TESCO開店後の最初の犠牲者になった。 このブッチャーRは、父親の代から続く肉屋である。 GXの町で開業したのは、26年前だと言う。 素性のわかった良質の肉を売ることで、広く知られており、 'Best Butcher of the Yearなどに何回も選ばれている。 もちろん、個人経営の店であるから、とてもではないけれど 大大手資本のTESCOに、価格競争では太刀打ちできない。 大体が、そうでなくても他の店と比べると、 ここの肉は高いのである。 高いけれども、美味しい。 うちの周辺は、英国の中でも裕福な人々が多く住むことで 知られており、そういう人たちからのサポートもあるだろう と思われたのに、撤退をすることになったらしい。 もちろん、TESCOが裏で一言「あの店には卸すな」と 卸業者に声を掛ければ、簡単にRの肉はストップする。 しかし、売っている肉の品質が違うのだから、 別ルートの小さなファームから仕入れることも出来るだろう と思うのだけれど。。。 続けて行けない理由が、他にあったのかどうか、 私には知る由もないが、地元の良心的な個人商店が このようにして消えていくのは、 本当に悲しく残念なものがある。 私は、菜食主義者ではないので、肉も食べる。 どうせ食べるのならば、少量でもいいから おいしい肉を食べたい。 TESCOの肉を500g買うくらいならば、 Rの肉を250g買う方がいいと思うのだけれどねぇ。 そうすれば、この国に溢れかえっている超肥満英国人の 数も少しは減って、健康になり、NHSの無駄な費用も減る ことになるだろうと思うのだけれど・・・ 残念ながら、 イギリス人の食は、やはり質より量なのだろう。 そして、次に店じまいをするのは。。。 [追記] * NHS(National Health Service)は、 イギリスの国営医療サービス事業で、 1948年に設立され現在も続いている。 多くの問題を抱えながらも、未だに基本的に無料である。 肥満が原因で罹る病気の治療費も、 もちろん無料と言うことになる。 肥満者のお腹の脂肪を抜き取る手術さえ、無料で行っている。 そして、その費用を払っているのは、 もちろん保険料を納めている私たちである。 * このTESCOは鉄道のトンネルの上に建設されたため、 ずさんな工事でトンネルが落ちたと言うわけだ。 GX駅からは多くの人たちがロンドンに通勤する。 落ちた時間がラッシュアワーであれば、大変な惨事に なっていた可能性も大きい。 幸い死傷者は出なかったのだが、何ヶ月にも渡って 電車は不通になり、住民に大迷惑を及ぼした。 工事は一旦中止され、一時は「建設をあきらめたのでは?」 という噂も流れたのだが、数年を経て工事が再開され、 結局は、店舗がオープンすることになってしまった。 イギリス中に展開するTESCOの中でも、 建設に最もお金のかかった店舗なのだそうだ。
by lapisland
| 2011-01-22 08:44
| 英国食事情
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